2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「境界の扉 日本カシドリの秘密」

こんばんは!エラリー・クイーンの「境界の扉 日本カシドリの秘密」:8月に行われる南東京読書会の課題本です。原題は、The Door Between。被害者は、女流作家カレン。彼女は日本で生まれ育ちましたが、渡米したのち女流作家として有名になり、日本で知り合…

S・A・コスビーの「すべての罪は血を流す」その2:読書会

こんばんは!S・A・コスビーの「すべての罪は血を流す」その2です。この本が課題図書の読書会に行ってさっき帰ってきたばかりです。楽しかったし、明日はバイトを休むので、夜更かししても大丈夫。訳者の先生がゲスト参加され、コスビーを3作訳したけれど本…

「すべての罪は血を流す」

こんばんは!S・A・コスビーの「すべての罪は血を流す」:コスビーの邦訳3作目です。原題は、All the Sinners Bleed。前2作「黒き荒野の果て」と「頬に哀しみを刻め」では、犯罪者が更生してもう犯罪者には戻りたくないのに、もう一回犯罪に手を染めるお話で…

「通い猫アルフィーと海辺の町」

こんばんは!私の癒し系読書レイチェル・ウェルズの通い猫シリーズ4作目「通い猫アルフィーと海辺の町」:現在邦訳は8作目まで出ていますので、ああ、半分読んじゃいました。連続猟奇殺人が大好きなのに、このぬるい、ミステリーでもなんでもないただの猫本…

「The Miracle of Teddy Bear」

タイのダン・ブラウンことプラープ著「The Miracle of Teddy Bear」:BL小説?って何?ミステリーじゃないのか?ググったらボーイズラブ小説だそうです。南東京読書会の課題本だったので恐る恐る読んでみました。戸惑いつつも、読書会のいいところは自分では選…

「シャム双子の秘密」

エラリー・クイーンの「シャム双子の秘密」:クイーンには有名なレーンシリーズ(Xの悲劇~)と国名シリーズがあり、私が今回読んだ本は後者に属します。警視リチャード・クイーン(父)と推理作家のエラリー・クイーン(息子)父子は旅行の帰りに山火事に巻…

「ベンスン殺人事件」

こんばんは!S.S.ヴァン・ダインの「ベンスン殺人事件」:感じの悪い探偵ファイロ・ヴァンスシリーズの1作目です。なんと1926年の作品で、ヴァン・ダインのデビュー作だそうです。証券会社の経営者アルヴィン・ベンスンが夜中に射殺されます。部屋にはその夜…

「黒き荒野の果て」

こんにちは!S・A・コスビーの「黒き荒野の果て」:「頬に哀しみを刻め」(邦訳二作目)でこのミス一位に輝いたコスビーの邦訳一作目です。本国アメリカでも権威ある賞をいくつも受賞したそうで、話題の作家です。邦訳は三作あり、三作目の「すべての罪は血…

「雪のなかを走る猫」

リタ・メイ・ブラウンとスニーキー・パイ・ブラウン(作者の飼い猫)作のトラ猫ミセス・マーフィーシリーズの2作目「雪のなかを走る猫」:舞台はアメリカ南部の田舎町クロゼット。主人公のハリーは郵便局長で、相棒はコーギー犬タッカーとトラ猫ミセス・マー…

「星を継ぐもの」

こんばんは!ジェイムズ・P・ホーガンのSF「星を継ぐもの」:1977年にアメリカで発表されたみたいです。この邦題素敵ですよね。原題はINHERIT THE STARSです。この本を読もうと思ったのは題名に惹かれたからですが、2024年3月開催の名古屋読書会の課題本だっ…

「死刑台のエレベーター」

ノエル・カレフの「死刑台のエレベーター」;題だけで連想したのはスティーブン・キングの「グリーン・マイル」みたいな死刑囚の話かな、と思いきや主人公のジュリアンが物語の2/3は文字通りエレベーターにただただ閉じ込められて懊悩しているお話でした。で…

「デセプション・ポイント」

こんばんは!本当は心の底から復讐したい人はいませんか?普通に生きていれば理不尽な扱いに心を痛めることもある。そういうときに倍返し、なんてフレーズは魅力的ですね。でも実生活ではあなたの心を無残に悪気もなく平気で痛めつけた人に仕返しなんてでき…

「復讐はお好き?」

こんばんは!カール・ハイアセンの「復讐はお好き?」:結婚2周年の記念に豪華な客船の旅に出たジョーイ(妻)とチャズ(夫)の物語ですが・・・冒頭でチャズは妻を海に投げ落とします。海にはサメがうようよいるし、普通なら溺死しますが、どっこいジョーイ…

「通い猫アルフィーとジョージ」

大好きな通い猫アルフィーシリーズ3作目を紹介したいと思います。レイチェル・ウェルズの「通い猫アルフィーとジョージ」:主人公アルフィーとはどんなネコか?帯の紹介文を引用します。「大好きな飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった灰色のオス猫…

「犯罪」

寡黙な語り手といえば、ドイツ人の作家フェルディナント・フォン、シーラッハ著「犯罪」の私でしょうか。弁護士でとして関わった事件を淡々と語る。こんなに静謐な語り口なのに悲しい事件が鮮やかに浮かび上がる、圧倒されました。本作は短編集で作者のデビ…

「秘密組織」

アガサ・クリスティの「秘密組織」:初期の作品みたいですね。2作目だそうです。クリスティの前書きがいいんですよ。「変わりばえのしない毎日でも、せめて物語の中で冒険の喜びとスリルを味わいたいと願うすべての人々に」。まさしくそういう小説です。トミ…

「短編ミステリの二百年」3

こんばんは!小森収編「短編ミステリの二百年」3:この本で扱われているのは1912年から1958年の作品です。この時代は雑誌エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)がミステリーに多大な影響を与えた時代だそうで、EQMMコンテストの受賞作のリストも…

「無実」

こんばんは!普段好きな本の紹介をしていますが、今日先にお話ししたいのは精液のDNA鑑定についてです。もちろん私は専門家ではないので、自分が紹介したい本の内容に関わる部分の言及にとどめますね。精液のDNA鑑定が可能になる前の精液の証拠能力は、血液…

「通い猫アルフィーのはつ恋」

こんばんは!「地球は愛で回っている」レイチェル・ウェルズの通い猫シリーズ2作目「通い猫アルフィーのはつ恋」の一節です。アルフィーは自分と関わりのある人間たちの幸せのために奔走するおせっかいな?猫です。今回も人間たちを救うべく大活躍しますが、…

「ブラック・ダリア」

アメリカの狂犬ジェイムズ・エルロイの「ブラック・ダリア」:狂犬って失礼な、とお思いですか。私が名付けたわけではないですよ。暗黒のLA四部作が有名です。本作はその一作目ですが、独立作品と考えていいかと思います。その後の3作とあまり関係はないと私…

「シャドー81」

ルシアン・ネイハムの「シャドー81」:1975年の作品です。古い作品だからと侮ることなかれ。内容は前代未聞のハイジャック。犯人は機内にいません。犯人の一人パイロットのグラントは最新鋭のアメリカの戦闘機を盗んで民間の航空機を追尾し、要求に応じなけ…

「ボーン・コレクター」

ジェフリー・ディーヴァーの「ボーン・コレクター」:本作はリンカーン・ライムシリーズの1作目です。ライムはニューヨーク市警の科学捜査部長だった頃、捜査中の事故で四肢麻痺となってしまい、現在自力で動かせるのは首から上と左手の薬指だけ。しかもライ…

「町でいちばん賢い猫」

リタ・メイ・ブラウン&スニーキー・パイ・ブラウンの「町でいちばん賢い猫」:トラ猫ミセス・マーフィーシリーズの1作目です。スニーキーはリタ・メイ・ブラウンの飼い猫の名前です。人と猫の共著です。わかりましたね。前書きはもちろんスニーキーが執筆し…

「罪の段階」

リチャード・ノース・パタースンの「罪の段階」:リーガルスリラーの傑作です。弁護士のクリスは元恋人のメアリから殺人罪で告訴されたので弁護をして欲しいと依頼されます。殺人事件は彼の専門ではないので、他の適切な弁護士を紹介するとクリスは答えます…

「卵をめぐる祖父の戦争」

こんばんは!デイヴィッド・ベニオフの「卵をめぐる祖父の戦争」:時は第二次世界大戦、レニングラード包囲戦のさなか、飢餓地獄に陥ったレニングラードが作品の舞台です。この作品を読もうかどうかは実は悩みました。レニングラード包囲作戦のむごさにひる…

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」その2:ネタバレあり

アンディ・ウィアーの長編3作目「プロジェクト・ヘイル・メアリー」その2:ネタバレありでよろしくお願いします。申し訳ありませんがネタバレ全開です。この作品は紛れもない傑作です。未読の方はぜひ、ぜひ、ぜひ!本作をお読みください。それからお暇があ…

「世界をだました男」

こんにちは!フランク・アバネイルの自伝「世界をだました男」:映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、スピルバーグの作品で主演はディカプリオ、彼を追い詰めるFBI捜査官がトム・ハンクス、豪華でしょう。その原作が詐欺師フランク・アバネイルの自…

「あなたを愛してから」

デニス・ルヘインの「あなたを愛してから」:原題はSince We Fellです。35歳のレイチェルが夫を撃ち殺すところからこの物語は始まります。でも話はそこから過去に、彼女の生い立ちに、母と父の話に遡ります。母親のエリザベスについてルヘインはこう書いてい…

「パズル・パレス」

こんばんは!ダン・ブラウンの「パズル・パレス」:デビュー作だそうです。世界中の暗号解読を極秘に処理する国家安全保障局、通称NSAが舞台です。ここには国家機密のスーパーコンピューター、トランスレータがあります。このコンピューター、対テロ対策とし…

「ポアロ登場」

こんばんは!アガサ・クリスティの「ポアロ登場」:これは全てポアロが主人公の短編集です。風采が上がらないくせにお洒落で自分の灰色の脳細胞の優秀さにご満悦の感じの悪い小男、あはは、よくこんな人を主人公にして書き続けたなあ。クリスティに脱帽です…