2024-01-01から1年間の記事一覧

「掃除婦のための手引き書」

こんばんは!ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引き書」:短編集です。これ、ミステリーでも映画の原作でもありません。なんでこの本買ったのだろう?すでに約1年分はある積読本も買った理由はそれぞれにあり、なぜ買ったか悩む本は皆無なのですが、この…

そう言えば

こんばんは! このブログももう半年も書き続けることができました。年末ですし、ちょっと振り返ったりしてもいいかなと思います。 もともと文章を書くことが好きなので書いてみたいと思っていましたが、何を書いたらいいのかな?小説やエッセイを書けるほど…

「猫はソファをかじる」

こんばんは!リリアン・J・ブラウンの「猫はソファをかじる」:シャム猫ココシリーズの3作目です。以前は敏腕新聞記者だったクィララン、40代バツイチ男性です。ルームメイトはシャム猫のココ(♂)。グルメなココのためにおいしい食事の用意に余念がありませ…

「元年春之祭」

こんばんは!陸秋槎(りくしゅうさ)の「元年春之祭」(がんねんはるのまつり):ヒストリカルミステリーです。舞台はなんと前漢時代の中国です。作者が復旦大学の古籍研究所在学中漢詩と書誌学を先行していた時に執筆した作品ということで、漢籍の引用が多…

「ナイロビの蜂」

こんばんは!ジョン・ル・カレの「ナイロビの蜂」(原題:The Constant Gardener):映画もあるみたいですが、私はまだ観ていません。面白そうだから観たいと思っていたのですが、利用していた配信サービスで扱っていなかったので先に本を読んでおこうと思っ…

「追撃の森」

こんばんは!ジェフリー・ディーヴァーの「追撃の森」(原題:The Bddies Left Behind):これはノン・シリーズで、邦訳は2012年に発行されています。もうライムシリーズが何作も発表されていて、作者は世界的な大ベストセラー作家としてすでに不動の地位を…

「別れを告げに来た男」

こんばんは! フリーマントルの「別れを告げに来た男」:原題は、Goodbye to an Old Friendです。1973年発表のスパイ小説で、作者の処女作だそうです。時代は東西冷戦下、ロシアの著名な宇宙開発を牽引する大物科学者二人が相次いで西側に亡命してきます。母…

「クリスマスに少女は還る」

こんばんは!キャロル・オコンネルの「クリスマスに少女は還る」(原題:Judas Child):私はこのお話を愛していますが、せめて12月まで取っておこうと思い、寝かせておきました。まず題について。少女誘拐事件のお話なので「帰る」あるいは「返る」でもよさ…

また明日からお願いします

こんばんは!今日は東京神田のサロンクリスティに行ってクリスマスディナーを食べる予定でしたが、午後から発熱してもしコロナかインフルだったら迷惑かけちゃうので諦めました。実は兄がインフルで肺炎になったので、先日お見舞いに行っているんです。移っ…

「雪が白いとき、かつそのときに限り」

こんばんは!陸秋槎の「雪が白いとき、かつそのときに限り」:中国の作家さんです。中国語はさっぱりですので憶測ですが、多分原題に近い邦題ではないかと思います。原題は「当且〇当雪是白的」です。〇はこの漢字を変換できなかったので、申し訳ございませ…

「クリスマス・キャロル」

こんばんは!チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」:全然ミステリーではないのですが、12月にふさわしい作品ですのでちょっと書いてみたいと思います。そもそものきっかけは、去年の12月の南東京読書会の課題本だったので読んだことですね。越…

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

こんばんは!スコット・フィツジェラルドの「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」:フィツジェラルドは「華麗なるギャツビー」の作者です。読んだことはなくても聞いたことはあるのでは?映画化もされていますし。さて、本作は短編集で7作の短編が収録されて…

「バスカヴィル家の犬」

こんばんは!コナン・ドイルの「バスカヴィル家の犬」:解説によるとドイルは本作を1901年~1902年にかけて雑誌に連載していたそうです。20世紀初頭を飾る名作なんですね。西部イングランドの旧家バスカヴィル家には気味の悪い伝承が語り継がれています。こ…

「優等生は探偵に向かない」

こんばんは!ホリー・ジャクソンの「優等生は探偵に向かない」:向かないシリーズ第2作です。このシリーズは、① 「自由研究には向かない殺人」 A Good Girl's Guide to Murder② 「優等生は探偵に向かない」 Good Girl Bad Blood 本作③ 「卒業生には向かない…

「機長、究極の決断」

こんばんは!C.サレンバーガーの「機長、究極の決断」:トム・ハンクス主演映画「ハドソン川の奇跡」の原作でノンフィクションです。2009年1月15日、ニューヨークのラガーディア空港を離陸し、上昇中のUSエア1549便はカナダガンの群れに遭遇した結果、両エン…

「喪服の似合う少女」

こんばんは!陸秋槎の「喪服の似合う少女」:帯には「華文ミステリの俊英が、ロス・マクドナルドに捧げる」と書いてありました。中国の作家のハードボイルド探偵小説です。作者は中国語で執筆していますが、日本にお住まいなので日本語でお話しできるかも?…

「ウォッチメイカー」

こんばんは!ジェフリー・ディーヴァーの「ウォッチメイカー」:リンカーン・ライムシリーズの7作目で、シリーズの中である意味ターニングポイントとなった作品です。ウォッチメイカーと呼ばれた犯人は、今後のシリーズでも再三登場することになるライムの宿…

「ヴァイパーズ・ドリーム」その2

こんばんは!ジェイク・ラマーの「ヴァイパーズ・ドリーム」その2:2024年11月の新刊です。私、このお話は今日再読してやっぱり好きだなあ、と思ったのでもう一回感想を書きたいと思いました。トランぺッターを目指してニューヨークのハーレムにやってきたク…

「蠟人形館の殺人」

こんばんは!ジョン・ディクスン・カーの「蠟人形館の殺人」:最近のミステリーはボリュームたっぷりでしっかり人物、犯人や被害者、捜査する人間の背景をしっかり書き込んだ重厚な作品が多いかな、と思います。読むのも結構大変ですが、個人的にはそういう…

「フォレスト・ガンプ」

こんばんは!ウィンストン・グルームの「フォレスト・ガンプ」:海外ミステリーに本格的にはまり込む前は映画の原作もよく読んでいました。本作もトム・ハンクス主演の映画を先に観て、原作があるなら読もうと思って購入しました。映画では、バス停のベンチ…

「名探偵のコーヒーのいれ方」

こんばんは!クレオ・コイルの「名探偵のコーヒーのいれ方」:コクと深みの名推理シリーズの1作目です。ジャンルとしてはコージーミステリーですね。原題は、On What Grounds、都会派コージーとして評価の高いシリーズです。だって舞台はニューヨーク、グリ…

「シャイニング」

こんばんは!病気知らずで健康だけが取り柄の私ですが、先日首の後ろに感染性のしこりができて、痛みに耐えながら処方された抗生剤を飲んでいましたが、ついに表面が破裂して潰瘍になってしまいました。首の真後ろなので自分では見ることができず、その惨状…

「最後の陪審員」

こんばんは!ジョン・グリシャムの「最後の陪審員」:舞台はアメリカ南部ミシシッピ州フォード郡クラントンという架空の街です。グリシャムの処女作「評決のとき」以来の登場だそうです。23歳の青年ウィリー・トレイナーは、お金持ちの祖母から資金を借りて…

「訳者あとがき選集」

こんばんは!越前敏弥の「訳者あとがき選集」:ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」の訳者で有名な越前先生の著作です。内容は題名の通りですが、当時のあとがきの後に2024年現在の追記もあり、海外ミステリーファンにとっては楽しい一冊です。越前先…

「最後の審判」

こんばんは!リチャード・ノース・パタースンの「最後の審判」:この作品を推したいのは同じ作者の「罪の段階」を読んで郡地域裁判所判事として活躍したキャロライン・マスターズに惚れこんだ人にぜひ、なんですが、傑作「罪の段階」を読んでいない人がこの…

「死ぬまでお買い物」

こんばんは!エレイン・ヴィエッツの「死ぬまでお買い物」:デッドエンド・ジョブ・シリーズの1作目です。原題は、Shop till You Drop。ヒロインのヘレン・ホーソーンは犯罪者ではないのですが、逃亡中の身の上です。民事上の理由で逃亡しています。簡単に言…

「わたしを離さないで」

こんばんは!カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」:端的に言えば臓器移植のドナーとして生きることを運命づけられた若者のお話です。私は映画を先に観て、原作があまりにも有名なノーベル賞受賞作家なので読むことにしました。臓器移植自体は個人的に…

「12番目のカード」

こんばんは!ジェフリー・ディーヴァーの「12番目のカード」:リンカーン・ライムシリーズの6作目です。16歳の黒人少女ジェニーヴァ・セトルは図書館で自分の先祖のチャールズ・シングルトンについて調べていました。しかし、自分に危害を加えようとしている…

「ヴァイパーズ・ドリーム」

こんばんは!ジェイク・ラマーの「ヴァイパーズ・ドリーム」:2024年11月の新刊ですし、この作者の作品の邦訳は初めてみたいです。解説によるとラマーはアフリカ系アメリカ人ですが、パリ在住だそうです。でも舞台はニューヨーク、ジャズ全盛のハーレム1960…

「興奮」

こんばんは!ディック・フランシスの「興奮」:原題はFor Kicksです。主人公はダニエル(ダン)・ローク、オーストラリアの牧場主です。彼の両親は早くに亡くなったため、弟妹のために働き詰めの毎日です。牧場は軌道に乗っていますが、牧場を離れて息抜きを…