「通い猫アルフィーのはつ恋」

こんばんは!
「地球は愛で回っている」レイチェル・ウェルズの通い猫シリーズ2作目「通い猫アルフィーのはつ恋」の一節です。アルフィーは自分と関わりのある人間たちの幸せのために奔走するおせっかいな?猫です。今回も人間たちを救うべく大活躍しますが、まあしょせん猫なのでドジも踏むし、自分の意図とは違う事態を招いたりもします。今回のアルフィーの大失敗、ほんと面白いのですが、その話はアルフィーの名誉のためにやめておいて、かわりに上手くいったエピソードを一つ。
アルフィーの通い先の一つだったフランチェスカとトーマスの家の息子アレクセイが近頃ふさぎ込んでいます。どうも学校で何かある様子。アルフィーはこっそり学校までついていくことにします。そこで見たものは、案の定いじめっ子に意地悪されているアレクセイ。アルフィーはいじめっ子にシャーっと威嚇します。思わずひるむいじめっ子。アレクセイはここぞとばかりに言い放ちます。「見ただろ。きみが嫌いなんだ。この子が好きなのは、いい人だけなんだ」。でかした、アレクセイ!アルフィーはけがをして隠れて泣いている女の子も探し出し、一躍人気者に。子供たちに囲まれてご満悦です。
私のように地球の片隅で世間を斜めに見ているような人間でも思わず心がほっこりするこのシリーズはそこそこ人気があり、現在邦訳は8冊出版されています。
今回、アルフィーは美しいスノーボールに一目惚れ。彼女に振り向いてもらいたい。頑張れ、アルフィー!ところで現実の猫も一目惚れをするんです。1回見たことがあります。初めて見た美人猫のターちゃんに釘付けになったノブちゃん、もう2匹とも天国にいるけど再会できましたか?
さて、ではあらすじを簡単に。空き家だった隣家にある家族が引っ越してきましたが、真夜中に引っ越してくるんです。怪しいですよね。そして近所付き合いどころかあくまでも人目を避けている様子。でも好奇心を抑えきれないアルフィーは隣家を観察しています。そして一家の飼い猫、美しいスノーボールに釘付けに。一目惚れです。でもスノーボールはとても冷たい。友達にすらなれそうもありません。たぶん飼い主の事情が彼女に影響しているに違いない。「力になりたいだけだ」と言うアルフィーにスノーボールは「わたしが本気で腹を立てないうちに、帰って」、完全な塩対応です。でもアルフィーは頑張ります。隣家の人間を助けてスノーボールと恋人同士になりたい。その顛末は読んでいただくことにして、アルフィーの人生哲学?を紹介して終わろうと思います。
「愛には様々な種類があると、身をもって学んだ。ぼくたちを取り巻く幸せな愛と、スノーボールやスネル一家を取り巻く、愛し合っているのにどうしていいかわからない悲しい愛。なんとかしたいし、スノーボールの心をつかみたければなおさらそうする必要がある。身勝手に聞こえるかもしれないけれど、ぼくは人間の力になるのも好きなんだからしかたない。
なにしろ愛には大きな力があって、実際に地球を回しているんだから」
本当に愛が地球を回しているといいですね。お休みなさい。2023/12/5