「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

こんばんは!
スコット・フィツジェラルドの「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」:フィツジェラルドは「華麗なるギャツビー」の作者です。読んだことはなくても聞いたことはあるのでは?映画化もされていますし。さて、本作は短編集で7作の短編が収録されています。表題作の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(原題:The Curious Case of Benjamin Button)は、帯によれば「年を取るごとに若返っていく男の物語」です。
バトン夫妻待望の赤ちゃんが生まれましたが、その子はどう見ても70歳のおじいさん、病院もバトン氏も茫然自失の様子。当の老人といえば、数時間前に生まれたばかりでどうしてこんなことになったのかはよくわからないとすすり泣くばかり。そうこの赤ん坊?はしゃべるんです。うーん、絶対にかわいくない。バトン氏はあくまでベンジャミンを子ども扱いし、おもちゃを買い与えましたが、中身も老人のベンジャミンはそんなものには見向きもしない。「ブリタニカ百科事典」が愛読書です。ところが12歳になったときにベンジャミンは気が付きます。白かった髪が灰色に変わり、顔のしわも減っている。若返っている!二十歳になるころには、50歳くらいの外見になり、若い女性に一目惚れしました。彼女の名はヒルデガルド、意外なことにヒルデガルドは、ベンジャミンに好意を抱いてくれ、二人は結婚しました。しかし、ベンジャミンは若返りますが、ヒルデガルドは普通に年を取ってゆきます。いつしかベンジャミンの方が若く見える日がやってくることになります。これは彼女にとってはつらい事実かもしれません。そしてベンジャミンはどこまで若返るのか、その顛末も味わい深いものがありました。
ブラッド・ピット主演の映画では、父親のバトン氏に捨てられて老人施設で育つという設定になっています。映画は2008年公開ですからブラピが本当に若い!この映画は短い原作をうまく膨らませてドラマチックなお話になっています。原作の方がシビアでクールな語り口ではないかと思います。私は映画の方がロマンティックだと思うので、もし原作はいいや、という方は機会があったら映画をぜひご覧ください。
お休みなさい。2024/12/2