こんばんは!
ホリー・ジャクソンの「優等生は探偵に向かない」:向かないシリーズ第2作です。このシリーズは、
① 「自由研究には向かない殺人」 A Good Girl's Guide to Murder
② 「優等生は探偵に向かない」 Good Girl Bad Blood 本作
③ 「卒業生には向かない真実」 As Good as Dead
で完結しています。スピンオフ作品もその後出版されていて好評でしたが、それは私はまだ読んでいないので、今日は3作だけ挙げておきます。
一作目が楽しく読めるYA(ヤングアダルト)小説として大好評で、主人公の女子高生ピップと相棒サルのさわやかカップルが地元で起きた失踪事件を解決するという胸がすくお話でした。でも、捜査過程でピップは大切な存在を失います。とてもつらい体験でしたので、もうこんな探偵の真似事なんかこりごりです。目的はサルの兄ラヴィの冤罪を晴らすことで、その目的は達成できましたが、小さなコミュニティーを搔きまわしてしまった、という澱のようなものがピップの心に沈殿したようです。
さて、本作ではピップはポッドキャストで1作目の事件についての情報を発信しています。友人がそんなピップを頼って、失踪した兄ジェイミーの行方を捜して欲しいと依頼したことから、彼女の2件目の事件が始まりますが、ピップはできれば警察に動いてもらい、自分は関わりたくない。知り合いの刑事に会いますが、ジェイミーは成人ですのでまともに取り合ってくれません。結局調査に乗り出すことになったピップですが、この一件は彼女の心に重い影を落とすことになりました。
3作目でこれ、ノワール?という思わぬ展開に賛否両論となった本シリーズですが、1作目の事件が3作目にも関係するのでこのシリーズに関しては順番に一気読みされることをお勧めします。
YAからノワールへ、という思いがけぬ展開で、1作目でこのシリーズのファンになった方々の怨嗟の声も読みましたが、私はホリー・ジャクソンがこの3作を構想して書き抜いたその力量には感嘆するしかありませんでした。この若い作者の今後に期待したいと思います。
お休みなさい。2024/11/30