「ナイロビの蜂」

こんばんは!
ジョン・ル・カレの「ナイロビの蜂」(原題:The Constant Gardener):映画もあるみたいですが、私はまだ観ていません。面白そうだから観たいと思っていたのですが、利用していた配信サービスで扱っていなかったので先に本を読んでおこうと思って読みました。本書は加賀山卓朗訳で2003年に出版されていますが、同じく加賀山先生訳で今年新訳が出ています。私は旧訳で読みましたが、これから読まれる方は新訳をチョイスされるといいかも、です。
舞台は、ケニアのナイロビにある英国高等弁務官事務所です。外交官ジャスティン・クエイルの妻テッサが惨殺されたという知らせが入ります。彼女はアフリカ人医師のアーノルドとともに内陸部で医療援助を行っていました。テッサは夫のジャスティンの年若い妻で、周囲はアーノルドとの不倫関係をひそかに疑っている様子です。若い妻が年上の夫よりも若いアーノルドに魅力を感じるかもしれない、という見方があるんですね。となるといわゆる痴情のもつれかも?特にジャスティンはガーデニングが趣味の温厚で地味な中年男、一方妻のテッサは行動的で危険すれすれの調査も厭わない。簡単に言えば妻の方が輝いているという印象を周囲の人々は抱いていたかもしれません。いわゆる昼行燈のようなジャスティンは、妻の事件をきっかけに覚醒します。職を辞してテッサが追っていた調査を追跡し始めたジャスティンは、その過程を通じてテッサを深く感じるようになります。
テッサが追っていた事件の真相が大変深い闇をはらんでいたことがわかるにつれ、ジャスティンももう安全ではなくなります。彼が最終的に選んだ道は?
ル・カレはスパイ小説で有名で、映画で言えば「裏切りのサーカス」を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。原作は「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」という邦題で、これが難解な作品です。読んだんですが、紹介するには、もう少し私の腕が上がる必要があるように思います。
お休みなさい。2024/12/10