「闇よ、我が手を取りたまえ」


こんばんは!

デニス・レへインの「闇よ、我が手を取りたまえ」(鎌田三平訳、平成12年四月、角川文庫):角川ではレへイン、ハヤカワではルへイン、のややこしい作者名ではありますが、映画がお好きな方なら「ミスティック・リバー」や「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の原作者だ、と説明すればわかっていただけるかも。私はルへインの方が、なじみがあるのでルへインでいこうと思います。

本作は、パトリック&アンジーシリーズの二作目です。ルへインは、一作目「スコッチに涙を託して」(鎌田三平訳、平成11年5月、角川文庫)で華々しいデビューを飾り、一作目にして注目作家になりました。パトリックとアンジーは幼馴染で一緒に探偵事務所を運営していますが、二人とも激しいDV被害者です。パトリックは父親から。アンジーは夫から。パトリックのDVは過去のトラウマですが、アンジーは現在進行形だ、というのが一作目の「スコッチに涙を託して」の設定です。

このシリーズで目を引くのは、暴力の被害者と暴力を振るう側、パトリックとアンジーは両方に属しています。二人は人を殺しています。その時の高揚感を知っています。全能の神になったかのような殺人の快感。それでも殺されるべきではなかった人のために命を懸ける。

ルへインを愛してやまない加賀山先生の記事を貼ります。

https://honyakumystery.jp/1286204742

 

お休みなさい。2025/10/03