「ハウスメイド」その2

こんばんは!

フリーダ・マクファデンの「ハウスメイド」(高橋知子訳、2025/8、ハヤカワ文庫)その2:このお話は、前科者で仮釈放中のミリーがあるお金持ちの家に住み込みますが、このうちは何か変、奥様のニーナは精神疾患の持ち主らしい。デブで家事能力もないみたい。一人娘はわがままでいけすかない子供。でもご主人は目が覚めるようなイケメンで、優しくて妻を愛している模様。ミリーは、いけないと思いつつもこの家の主人アンドリューに惹かれていきます。ミリーは十代の時にかなり重い犯罪が理由で服役していたようですが、仮釈放を得た現在はまだ二十代、ほっそりした美人という設定です。もし家政婦を雇うなら、自分よりも若くてきれいな女の子を雇うでしょうか。しかも住み込みで。でもニーナが、ミリーが前科者で若くてきれいだということを理由に雇うことを決めた、という企みが明らかになっていく過程はとてもスリリングです。ニーナはだからこそミリーを選びました。

家庭内に限定されたミステリーですので、読みやすい。ある意味よくある展開を予想しながら読めますし、真にやばいのは誰か、も予測できるかもしれませんが、この悪夢の根源は意外なところにありました。よく練られたストーリーで、本年度のミステリー賞レースの候補に挙げられています。というわけで本作を推す書評を見つけたので二つほどリンクをはります。よかったらご覧ください。

一つ目は杉江松恋さんの書評です。私はこの人の書評のファンですのでよく読みます。ああ、こういう風に紹介できたらいいな、と常々思っています。

https://www.webdoku.jp/newshz/sugie/2025/09/17/193000.html

二つ目は書評家七人が選ぶ今月の一冊、というサイトです。本作以外の言及もあり、秋の夜長に犯罪小説に浸りたいあなたにお読みいただけたら、と思います。

https://honyakumystery.jp/26841

お休みなさい。2025/09/29