こんばんは!
アガサ・クリスティの「おしどり探偵」:クリスティが描く人物ではポアロとミス・マープルが有名ですが、トミーとタペンスシリーズというのもありまして、この本はトミーとタペンスが主人公の短編集です。トミーとタペンスは若い夫婦で、わけあって国際探偵事務所の所長とその秘書に扮して依頼をこなしています。でも二人は探偵業はど素人、数ある探偵小説を教科書代わりに事件解決に臨みます。トミーとタペンスのシリーズは全部で五作。一作目の「秘密機関」が楽しかったので、この短編集も読んでみました。タペンスはとても魅力的なヒロインです。生き生きしていて冒険心旺盛。今回探偵生活を始めるにあたって、彼女は夫のトミーに「夢のような毎日になるわ。殺人犯を追いかけたり、紛失した家宝の宝石を探し当てたり、行方不明の人を見つけたり、横領をつきとめたりするのよ」と言い放ちます。トミーの返事は「離婚のための証拠集めこそ、私立探偵事務所の唯一の収入源なのさ」。うーん、そんなのイヤだと思ったタペンスは、やらせを計画するんです。トミーにも内緒で事件を仕込む。その話がどの短編かは伏せておきたいと思います。でもトミーも負けてはいない。タペンスよりも先に事件の真相に気が付いたトミーは、タペンスに内緒で事件解決に向けて行動します。解決後、どうして教えてくれなかったの?と不満げなタペンスに「(以前に)ぼくをだましたろう。これでおあいこさ」
二人がお手本にした探偵も多岐にわたります。今でも有名どころを挙げると、シャーロック・ホームズ、ソーンダイク博士、ブラウン神父、「隅の老人」、もちろんモナミでおなじみエルキュール・ポアロも登場します。当時の読者もたぶんとても楽しめた趣向だっただろうと思います。
ところで、今日で2024年も半分終わりました。実は元旦に年間100冊本を読む、という目標を立てまして現在の成績は50冊ピッタリです。ギリギリ余裕なしですが、この決して上等と言えないブログもありがたいことに読んでくださる方がいます。ありがとうございます。年内毎日更新も目標にしていますので、今後もお付き合いいただけると幸いです。
お休みなさい。2024/6/30