こんばんは!
ダン・ブラウンの「ロスト・シンボル」:「ダ・ヴィンチ・コード」で有名なラングドンシリーズ第3作目です。この作品でもシリーズのお約束、陰惨な犯行現場、訳も分からず事件に巻き込まれ謎を解けと脅され、謎の美女と逃避行を繰り広げるラングドン、もう安心なぐらいお決まりパターンですが、面白さも相変わらずです。でもこのシリーズ未読の方にちょっと説明します。主人公ロバート・ラングドンはハーヴァード大学の宗教象徴学教授。宝物は幼い時両親にもらったミッキーマウスのコレクター版腕時計。閉所恐怖症でエレベーターも苦手です。今回は旧友ピーター・ソロモンからの依頼でワシントンに赴きますが、そこで発見したのはピーターの切断された右手!この犯行にかかわっていると思われる男は電話でラングドンに「この街にある古の門をみつけて解き放て」と命じます。ピーターは生きているようですが、手首を切断されているのは間違いない。事態は切迫していますが、ラングドンンには、男の言う古の門がなんのことなのかさっぱりわからない。混迷の中さらになぜか日系人のCIA局長が登場しますが、その名は原文ではInoue Satoと書かれていたそうです。訳者の越前先生がそう書いているのを読んだことがあります。あはは、イノウエ サトウ。越前先生はサトウ イノエにしたそうです。外人が書く、ずれてる日本人人名あるあるですね。
ピーターの右手の衝撃も冷めやらないラングドンはいきなりのCIA局長の登場に困惑します。しかもサトウはラングドンがワシントンに来ていることをなぜか知っていて、ラングドンが持っている情報は国家の危機に関わるそうです。サトウは持っている情報を提供しろ、と命令します。一体何の話?もうわけわかんない。だってピーターに呼ばれたから気楽に来ただけだよ。でもラングドンは、ピーターの右手の指に彫られた刺青から、この手が「選ばれた少数のみが知る秘伝の知恵を授けるという招待」を象徴していると説明します。そして思い出します。数年前ピーターから預かってほしいと頼まれて保管していた小箱のことを。その中身についてピーターは、「混沌から秩序を生み出す力を持主にもたらすらしい」と説明していました。
ね、、面白そうでしょ。その後も手掛かりを追いかけてラングドンは疾走します。ピーターの妹キャサリンとともに、謎を解くべくワシントン中を駆け巡ります。これもお約束、ラングドンは謎を解く手がかりを求めて舞台となった都市を走り回り、読者は一緒に名所旧跡を巡ることができるのです。このシリーズのもう一つのお約束は、ある秘密結社の謎がテーマに選ばれていること。今回はフリーメーソンでした。
この物語の読みどころとしてサトウという強烈キャラが挙げられるかも。小柄な日系人の女性ですが、高圧的でエネルギッシュで相手に有無を言わせません。まあ、実際にこんな人いたらヤダな的なキャラですが、小説の登場人物としては興味深く読めると思いますし、この人が主人公のスピンオフ作品がもしあったら読みたいかも。
あっ、最後に細かい話で恐縮ですが、ラングドンシリーズは上中下3巻構成ですので、ご購入の際は中巻をお忘れなく。
お休みなさい。2024/3/29