「クライム・マシン」

こんばんは!
ジャック・リッチーの「クライム・マシン」:短編集です。この本のお勧めポイントは、星新一ショートショート的な面白さでしょうか。海外ミステリーの多くは400ページ越えは当たり前、肉食人種は体力があるなあ、と言いたくなる大作が多いですよね。私がいつも本ばかり読んでいるのを見て、普段本を読まないけれど何か読んでみようと思う方からお勧めは何か聞かれることが何回かありましたが、大体紹介作を間違えていたようでリピートはなかったかな。まあ、「ボーン・コレクター」、「羊たちの沈黙」、「クリスマスに少女は還る」とか、名作ですが重過ぎました。ただ、書店で普通に売っていて購入しやすいと思ってお勧めしたという言い訳をしておこうと思います。
でもこの本なら楽しんでもらえるかも、と思ったのが本作です。楽に読める上に全部面白い。現在手に入れやすいかどうかはわからないのですが。
表題作の「クライム・マシン」は、殺し屋が、「あなたの仕事を目撃した、自作のタイムマシンを使って」と言って現れた発明家ヘンリーにすっかり騙されるお話です。ネタバレが怖いのでここで止めます。
私の一番のお気に入りは「こんな日もあるさ」のターンバックル部長刑事。彼の推理はもっともらしく読んでいてほほうと思わされるのに、的外れ、でも事件は解決します。この外し方を堪能してください。ターンバックル部長刑事はシリーズ化されているそうなので見つけたらまた読みたいと思ってはいますが、本の入手が難しい。リッチーの他の本を私はまだ入手できていないんです。この短編集の他の作品も紹介したいのですが、ネタバレなしで紹介するのは難しい。
後書で紹介されているリッチー最短の小説を引用して今日は終わります。
「すべてが終わったとき地球上には二人の人間が残った。二十年後、年上の男が死んだ。
そして彼は言った。『まだもう少し削れると思うんだよ』」。
今日も読んでくださった方、ありがとうございます。
お休みなさい。2024/8/4