「猫はスイッチを入れる」

こんばんは!
シャム猫ココシリーズ4作目、リリアン・J・ブラウンの「猫はスイッチを入れる」:このシリーズは大変な長寿シリーズで、邦訳も30作以上出ていますが、出ていますが!5作目までしか入手できていない・・・コージーミステリーは、本はできるだけ古本で集めたい私のような節約重視読者にとって集めにくい印象があります。他のミステリーと比べると読者層が限られるのかもしれませんね。古本サイトをちょくちょくチェックしたり、入荷お知らせサービスを利用したりして、ちょっとずつ購入しています。
ところでコージーミステリーについてはまだ説明したことがない気がしたので、簡単に説明すると、探偵でも警察でもないいわば素人が事件に遭遇して解決しようとするミステリーです。多くは主人公の生活範囲内で事件が起こることが多く、犯人は同じ共同体に属する知り合いだったりする。怖いですね。主人公を含む共同体を構成するメンバーの人間模様や生活を楽しみながら、謎を解く、というところがポイントかと。まあ緩い感じがあるので、好き嫌いが分かれるジャンルかもしれないですね。私は緊迫感溢れるミステリーも好きですが、コージーのなんだか読んでいてほっとする味わいも好きです。何作か同じシリーズを読むと、登場人物たちが知り合いみたいに思えて親近感がわきますよ。
さて、コージーに限らずシリーズ物をどう読むか、という問題では私のように順番に読みたい人の方が多そうなんですが、手に入る順に読んだら、という意見もあり、それも説得力あるなあ、と思いました。例えば実人生で魅力的な人物に会います。その人の人生のスタートから知っているわけではない。でも今目の前にいるこの人に魅力を感じる。親しくなるうちに時系列通りではないかもしれないですが、理解が進む。読書もそれでいい。なるへそ。でもやっぱり本は順番に読みたい・・・
ではそろそろ内容に。出演猫はシャムネコ二匹、雄のココと雌のヤムヤム。シャムはブルーアイズのとても美しい猫です。捜査に協力するのはココです。飼い主はぱっとしない新聞記者の中年男クィララン。ごめん、クィララン。彼は敏腕の事件記者だった過去があったみたいですが、このシリーズでは生活欄的な記事を担当させられていつもちょっと不満気味。今回は骨董店が並ぶストリートの取材を担当します。気乗りしないのね。でも市当局がこのストリートを冷遇していることについては義憤を感じ、住民のために尽力し、殺人事件の解決にも貢献します。今回の殺人事件はある骨董店の店主アンディが被害者です。はしごから転落した際運悪く先が尖った装飾品フィニアルの上に転落して命を落としました。当初は事故と思われていましたが、クィラランはココのヒントを手掛かりに、真相に辿り着きます。このシリーズでは、ココはヒントを出しますが、猫の擬人化はありません。彼の行動は書かれますが、何を考えているのか内面が語られることはないので、動物がしゃべるお話が苦手な方にもどうぞ。楽しく読めますよ。猫好きの中年男の生活と仕事振りを見守ってあげてください。
お休みなさい。2024/4/10