「残り火」読書会

課題書は、ジャック・ケッチャムの「残り火」ジャック・ケッチャム短篇傑作選2(金子浩訳、2026/9、扶桑社ミステリー)です。
これまでケッチャムは、残酷なホラー作家というイメージがあるのでなんとなく敬遠していたけれど、本作を読んで上手い作家だと認識を改めた、というケッチャム初心者が多い中、ケッチャムの大ファンも参加されていて、ケッチャム作品の魅力をふんだんに語ってくれました。今回のゲストは扶桑社の編集者Yさんで、ケッチャムの処女作「オフシーズン」を始めとするケッチャム作品の魅力をお話されていて、食人族が人を襲う話で助かる人も犠牲になる人もいて、どちらの結果に転ぶかはあくまで偶然だということでした。「残り火」収録作品の中にも、殺される理由なんてないだろ、という一家が皆殺しになる話があり、現実の事件でも、なぜこの人が殺されなければならなかったのか、と思わされる事件があることを思えば、人の生死が偶然に左右されるというケッチャムの小説は、この世の不条理さを描いているといえるのかな、と思いました。収録作品の「エンドゲーム」がわかりにくいという声がありましたが、Yさん曰くケッチャムの作品には、食人族シリーズとも呼べる作品群があり、「エンドゲーム」は、食人族シリーズを読み続けたファンへのファンサービスとして書かれているので、初めてケッチャムを読んだ人にはわかりにくいのだそうです。なるほど。
読書会の良さの一つに、自分なら選ばない本、あるいは読んだことがない作家の本を読むことで読書の幅が広がるというメリットがあります。一方でその作家が大好きで読み込んでいる参加者もいて、初心者はベテラン読者に疑問点を質問することができます。また、編集者や翻訳者がゲストの場合も同じことが言えます。つまり、よくわからないならよくわかる人に聞けばいい、というのがもう一つの読書会の良さです。
さて、Yさんは、ケッチャムのオリジナルステッカーをおみやげにくださいました。みんな大喜び、私もどこに貼ろうか思案中です。
その後の懇親会でも本作の話は尽きず、ケッチャム初心者もおおいにケッチャムについて語る会となりました。また、それぞれの推し本の話や今話題の作品の話も出ますので、読みたい本が増え積読本が増えるという危険性はありますが、みんなどうせ積読本を抱えていますから、「みんなで渡れば怖くない」。
今、私はフリーダ・マクファデンの「ハウスメイド2」と「ハウスメイド3」を買いたくなっています。「ハウスメイド」シリーズの翻訳者高橋知子さんも参加されていて、ふだんミステリーを読まない人にも勧められる作品を探して訳した、とお話されているのを聞いちゃったからねえ。私は一作目しか読んでいませんが、確かにその通りだと思います。圧倒的な読みやすさと面白さで、夢中になって読んでいるうちに気がつくと読み終わっていました。
ところで、文学好きはたいがい映画ファンでして「マイケル」の続編を観たいかどうか、という話題も出ました。この話題は、男女差が出たように思います。おばさんたちはかっこいいマイケルを観たいからその後はいいかな、という意見でしたが、男の人は観るよ、という意見でした。
右の写真は、横浜市緑区の慈雲山大林寺。
2026/19/21